先週、3月14日、北陸新幹線が開通しました。
関係された方々にとって、喜びは大きいと思います。
私も若かりしくころ、新幹線の建設に携わっておりました。
今から34年前、東京の上野から日暮里に向かう新幹線地下鉄工事でした。
この新幹線も将来、金沢まで来るのかなぁーという思いで仕事しておりました。
新幹線地下鉄工事は、シールド工法を採用しておりました。
当時として、世界最大断面、シールドマシンの外径12.84m(セグメント組立後の外径12.66m、4階程度の建物に相当)を地下30mの深さで動かすのです。
シールド工法には機械堀(泥水加圧等)の技術もあったのですが、あえて本シールドでは、切羽(掘削面)が見えるオープン工法とし、作業員の方がピックをふるって掘削する旧式の工法を採用していたのです。それはなぜかというと、建物の杭がシールドマシンのルートに立ちはだかるからです。
工事はこれらの杭を撤去しながら進んでいく必要があったのです。
建物の杭の近辺をシールドマシンが通過したり、杭を撤去すると建物が沈下したり傾いたりします。
その対策としアダンーピニング工法と呼ばれる、あらかじめシールドマシンの進行により影響が予想される杭の部分を油圧ジャッキで受替えて応力管理し、シールドマシン通過後、復旧する工法が採用されていました(写真2参照)。
シールドマシンが下谷郵便局下を通過します。
いまでもこの郵便局はあります。
ここで採用したアンダーピニング工法です。
杭はシールドマシンの断面には現れませんが、杭先端のわずか1m下をシールドマシンが通過します。
あらかじめ耐圧版とよばれるスラブ(床版)を施工し、建物の杭の4方向にあたる梁部を油圧ジャッキで受替え、建物挙動をダイヤルゲージで監視し、油圧ジャッキに作用する荷重を常に一定に保つ制御がなされていました。写真は杭を切断し、フリーの状態にしてシールドマシンの通過を待っているものです。シールド通過後、切断した杭の間にキリンジャッキをいれて復旧します。
油圧ジャッキはオックスジャッキ社製、社員の方々がとてもユニークで、親切にご指導いただきました。
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