皆さま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。昨年12月より業務多忙につき、診断事例の掲載がおろそかになっていました。お詫びいたします。
ご紹介します事例は、トピックス、昨年9月、「石川県白峰地方の現地踏査」の際、採取した凍害を生じたコンクリート片の分析結果です(写真1および写真2参照)。
分析ではコンクリー片から蛍光樹脂を含浸させたスラブ試料を作製して蛍光顕微鏡システムによるメゾレベルでの観察、数枚の薄片を作製し偏光顕微鏡によるミクロレベルでの観察を行いました。観察結果は以下のとおりです。
1)表面部では表面に沿ったひび割れが発生していました(写真4参照)
2)破断面ではこの面に沿ったひび割れが発生していました(写真5参照)
3)骨材の周囲にひび割れが発生していました(写真5および写真6参照)
1)表面から表面部に沿ったひび割れが確認されました。ひび割れによって内部に水が供給されていることが推察できました(写真7参照)。
2)骨材を貫通するひび割れはほとんどありませんでした。ひび割れのほとんどはセメントペースト部に発生しているものでした(写真8参照)
3)蛍光顕微鏡システムでは十分に確認できませんでしたが、骨材周囲に発生していたひび割れは、骨材界面に発生しているものではなく、骨材からわずかに離れた位置に発生していました。このひび割れは、骨材の乾燥収縮によって発生したものと推察されました。
顕微鏡観察により、本コンクリートの凍害による劣化は、骨材の乾燥収縮により発生したひび割れに表面からの水が浸透し、凍結融解の繰り返しによってひび割れ幅が拡大していったものと考えられました。また、凍害を生じたコンクリートでは表面から平行方向に卓越したひび割れが発生することも確認できました。
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